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欧州世界遺産紀行~シュレーダー邸~

オランダの建築家ヘリット・トーマス・リートフェルトがシュレーダー未亡人と子供達のために建てた邸宅はオランダ ユトレヒトにあります。
1924年に建てられたものですが、白とグレーの壁に赤と黄色と青が効果的に配され、今見ても非常に斬新な印象を受けます。
中は遊び心満載で忍者屋敷のよう。にも関わらずきちんと実用性も考えられています。
2000年にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。

見学には事前予約が必要。
ツアーは1回の人数が少ない上、設定回数、曜日等も少ないようですが、当日でも飛び入り参加できる場合もあるようです。
私達が訪れた際も建築学科の学生らしき青年が現地で飛び入り参加していました。
ツアーのスタートはユトレヒト中央美術館、バスで邸宅に向かいます。

ヨーロッパの建物の多くは石造り。
その中でシュレーダー邸の白い壁と原色のアクセントは完全に異彩を放っていますが、こじんまりと作られているせいか、極端な違和感を感じません。
個性的なのに空気が読める人、といったイメージでしょうか。

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ユニークな外観が注目されがちですが、中を見て更にびっくり。
1世紀近く前の設計なのに現代にも通用する工夫がいっぱい。
玄関と2回にあるリビングを管で繋ぎ、リビングから玄関に来た人と話せるようにしたインターフォンみたいな機能とか(しかも電気を使わないからエコ!)、
通風を考えて、玄関扉は上下2段に。
リビングの大きな窓は角に柱がなく、開放的。
2階は可動式の間仕切りで、細切れの部屋を大きな一部屋にすることが可能。この間仕切りがまたよく出来てて。

とにかく全てがよく考えられていて無駄がなく実用的な上、デザイン性もある。
歴史に残る名建築というのは大きさだけじゃないんだなぁ。

シュレーダー未亡人と建築家リートフェルトは亡くなるまでこの家で共に暮らしたそうです。
by marolon | 2006-06-29 11:26 | オランダ放浪
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