バンクーバーからバンフへは午後のバスで出発した。
昼間の景色を少しは楽しんでみたかったのと、夜中のバスはちょっと恐くて。
8時間くらいかかったような気がする。
途中、バスを乗り換えさせられて、満席に。
そこでやはり一人旅をしている日本人の女性と知り合った。
彼女は私以上に無謀。
当てもない旅なのに、スカートとレザージャケットでやって来たという。
学生ながら、この人、ちょっと非常識なんじゃなかろうか、と思ってしまった。
バンフには夜中に到着。ロッキー山脈の中だけあってかなり冷え込む。
私はユースの予約をしていたけれど、彼女は何も考えてなかったらしい。
きっとなんとかなるだろう、と一緒に行くことにした。
オフシーズンなのでユースはガラガラ。同室にほかの人はおらず、しばらく二人で滞在することになった。
次の日は二人でバンフの観光。
ロープウェイに乗って山の上へ。
雪を抱く山をのんびり眺める。寒いけど、これはこれで楽しい。
夜はアルバータ牛のステーキをご馳走して頂いちゃいました。
貧乏旅行の学生にとって非常にありがたい出会いでした。
次の朝、お姉さんと別れ、一人レイクルイースへ。
スキーシーズンにスキーをしに行かないなんて頭がおかしい、くらいの場所だけど、
どうしても行ってみたかったのだから仕方ない。
またその日に限って寒波が来ており、レイクルイースはマイナス15度。
ロングダウンにマフラー、帽子、カイロ、足元はスノーブーツ。
それでも末端が痛いし吐く息が凍る。
凍った上に雪が積もっている湖。
そこだけ木が生えていないから、遠くからでも湖と分かる。
凍えながら遊歩道らしき道を歩いていたら、凍った滝にぶつかった。
これは凄過ぎる。
青と緑と白と、半透明に凍った水の塊。
遊歩道も冬場はここで行き止まり。元来た道を戻り、シャトーレイクルイースで一休みした。
とはいえ貧乏学生の身分。トイレをお借りするだけでせいいっぱいでしたよ。
レイクルイースのユースはきれいで有名。
スキー客がひっきりなしに訪れるので常に満室。
この日も私意外は全員カナダ人のスキーヤーだった。
夜はかなり冷え込み、薄い布団にくるまって咳をしていたら、
親切な同室のカナダ人女性が毛布をかけてくれた。
レイクルースには1泊だけでまたバンフへ戻る。
晩ごはん時に到着したら、バンフのユースも実は日本人がいっぱいだった。
踊りに行こうと誘われ、乗合バスででかける。
名前も知らない人とお酒を飲み、踊り、語り合う。
きっと今やってもそれなりには楽しいのだろうけど、この歳になると胡散臭さの方が気になるかも。
実はこの先、旅程を決めていなかった。
バンクーバーに戻ることも考えたが、フェリーに乗って島へ渡ることにした。