幸福な夜明けという意味を持つタイ族最初の統一王朝スコータイ。
13世紀半ばといったら日本では鎌倉時代。
世界的にいえば、チンギス・ハーンのモンゴル帝国が全盛だった時代です。
アンコール王朝の支配が弱まり、スコータイ王朝が成立。
現在のタイ語のもとを作った3代目のラームカムヘーン大王時代が全盛期ですが、
その後、急速に衰えていき、わずか140年でアユタヤ朝に併合されることとなります。
日本でも古都といえば奈良、京都、鎌倉などがありますが、
同じ仏教でもかなりイメージが異なります。
強い日差しや抜けるような紺碧の空にたたずむ崩れかけた野ざらしの仏像は
日本のような「わびさび」ではなく、退廃的な空気さえ感じます。
交通の便も整っていないスコータイ。
空港からの公共交通手段も厳しいということで、今回はバンコクからの日帰りツアーを利用しました。
客が私一人、というオフシーズンっぷりでしたけどね。
スコータイの地図を見てもらえば分かりますが、城壁内と外に分かれています。
外はまた東西南北でエリアが分かれていますが、見どころは北側がメイン。
空港から市街地までは車で40分ほど。
周りの景色が田んぼから林に変わった頃、一つ目のお寺に到着。
城壁外北側から観光スタートです。
ワット・シー・チュム外から見ると
何事かと思うくらい顔!
中に入ると
でかっ鎌倉や奈良の大仏もでかいですけど、狭い空間にいるせいか、異様な圧迫感。
実際の高さは15mほどだそうですから奈良の大仏お同じか、こっちの方が大きいくらい。
やっぱりでかいんだぁ。
ワット・プラ・パーイ・ルアンヒンドゥー教の寺院を仏教に改修したものだそうで
(アンコールでもこういうことがよく行われてました)
ヒンドゥーの3最高神(創造、維持、破壊)を表す3つの塔があります。
今はそのうち2つは崩壊してしまい、きちんと残存しているのは1つだけ。
広い土地にレンガの瓦礫が点在しているような遺跡でした。
修復もしてるんだけど、崩れたお顔や体はそのまま。
仏教寺院に改宗したはずなのにヒンドゥーの痕跡をカンペキに消そうとはしてない。
現役のお寺じゃなくて遺跡だから、日本でいったら古墳みたいなもの?
立派なんだけど不思議な空間でした。
旅は後篇(城壁内)に続きます。